ZEH(ゼッチ)とは?環境に配慮した省エネ住宅の特徴とメリット
高性能な家探しをしている方だと、「ZEH」という言葉を聞いたことがある方も多いはず。
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。
太陽粉圧電などの電力創出・省エネルギー設備を導入したり、断熱性能を高めたりすることにより、
生活で消費するエネルギーよりも生み出すエネルギーが上回る住宅を指します。
ZEHは、地球温暖化防止、省エネルギー、そして自然エネルギー利用の推進を目的として、
日本国内で積極的に普及が進められています。
今回は、そんなZEHについて解説していきます。
───もくじ───
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1.ZEHとは
省エネ…節電タイプのエアコンやLED照明、高効率な給湯システムなど、省エネ設備の導入
断熱…高性能な断熱材を使用したり、断熱性の高い窓を採用する
創エネ…太陽光発電などを取り入れ家庭で電気を創る
の3つの要素を取り入れた住宅です。
生活に必要なエネルギーを高断熱構造の採用や省エネルギー設備の導入によって減らし、
さらに太陽光発電などによって創出したエネルギーを使うことでエネルギー収支をゼロにすることが可能です。
現在、地球温暖化は世界的な問題として挙げられており、日本でも二酸化炭素削減・省エネルギーを目指す機運が高まっています。
そのため国の政策としてもZEH建築を推奨しており、
2030年度以降の新築住宅はZEH基準の省エネルギー性能を確保することを目標としています。
2.ZEHの種類
ZEH
省エネ基準(※1)から20%以上の一次エネルギー消費量を削減した上で、
再生可能エネルギー等の導入により、100%以上の一次エネルギー消費量削減を満たす住宅.
※屋根・外壁・窓などの断熱の性能に関する基準(外皮基準)と、住宅で使うエネルギー消費量に関する基準(一次エネルギー消費量基準)
ZEH+
ZEHの基準を満たしたうえで、省エネ基準から25%以上の1次エネルギー消費量を削減。
さらに、「外皮性能のさらなる強化」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車を活用した自家消費の拡大措置」の3つの要素のうち2つ以上を採用した住宅。
次世代ZEH+
ZEH+の条件を満たしたうえで、「蓄電システム」「燃料電池」「V2H充電設備(充放電設備)」「太陽熱利用温水システム」の4つの要素のうち1つ以上を導入した住宅。
ZEH Oriented
都市部の狭小地、または多雪地帯に建設された住宅で、
省エネ基準から20%以上の1次エネルギー消費量削減を満たす住宅(再生可能エネルギー等を除く)
Nearly ZEH
省エネ基準から20%以上の1次エネルギー消費量を削減し、再生可能エネルギー等を導入し、
75%以上100%未満の1次エネルギー消費量を削減する住宅。
Nearly ZEH+
Nearly ZEHの基準を満たしたうえ、省エネ基準から25%以上の1次エネルギー消費量削減、
かつ、「外皮性能のさらなる強化」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車を活用した自家消費の拡大措置」の3つの要素のうち2つ以上を採用した住宅。
3.ZEHのメリット・デメリット
・光熱費が削減出来る
ZEHは省エネルギー住宅なので、光熱費を抑えることができます。
また、太陽光発電によって創出した電気を電力会社に売電することにより収益も得ることができます。
・ヒートショックの危険性が減る
ヒートショックとは、家の中の急激な温度差により脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまう現象です。
寒い脱衣所から熱いお風呂に入ることでヒートショックを起こし亡くなる方の人数は、
毎年推計で1万9000人ほどに上ると言われています。
ZEH住宅は断熱性が高く部屋同士の温度差も小さいので、ヒートショックを起こす危険性を減らすことができます。
・住宅の評価が高くなる
住宅の資産価値の指標のひとつに、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」があります。
ZEHは、このBELSにおいて高い評価を得ることが出来るので、
もし売却することになった場合でも、高値で売れる可能性があります。
デメリット
・建築費用が高くなる
ZEHには太陽光発電や省エネルギー機器を導入するのに設備投資が必要になり、
ZEHでない住宅と比べると建築費用が高く付いてしまいます。
しかし、光熱費は安く抑えられるので、長期的な目で見ると建築費用の高さはペイできるでしょう。
・間取りや外観が制限されることがある
ZEHは太陽光パネルを設置しなければならない関係上、屋根の形や向きなどが制限されることがあります。
また、エネルキー消費量を抑えるために大きな部屋を間仕切らなければならなかったり、
断熱性を高めるために大きな窓を作ることができなかったりする場合があります。
4.まとめ