整形地よりも良いところがある!?旗竿地のメリットとデメリットとは?
このような形の土地は「旗竿地」と呼ばれています。
変わった形の土地なので「使いづらそう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、
旗竿地ならではのメリットもあります。
今回、旗竿地はどういった土地なのか、メリットやデメリットを交えご紹介します。
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旗竿地とは何か
旗竿地とは、道路と接している細い通路を通った先にある奥まった土地のことです。
その名の通り、竿に旗をつけているような形状をしています。
「敷地延長」という名称でも呼ばれることがあり、東京近郊の都市部で多く見られます。
もともとは大きかった土地を分割して生まれるもので、
単純に分割すると道路に接しない土地への通路を作ることで建築基準法を満たしています。
たとえば、このような縦長の60坪の土地があったとします。
東京近郊は土地が高いので、大きい土地まま売りに出すと
値段が高くなるのでなかなか買い手が付きません。
もちろん金額は高くてもいいから広めの土地が欲しいという方もいらっしゃいますが、
コンパクトで値段はそこそこに、という需要の方が多いです。
なので、少し広めの土地なら何区画かに分割して売りに出すことになります。
この土地を単純に縦か横に分割すると、どうなるでしょうか。
まず横に分割すると、道路に接していない奥の土地は建築基準法の接道義務を果たしておらず、
建物の建築をすることが出来なくなります。
次に縦に分割してみましょう。
どちらの土地も道路に接しており一見これで良いように見えます。
ですがこれだと建築する建物が細長くなってしまい、
日当りが悪くなったり設計が難しくなってしまいます。
そうすると、一般的な形の家を建てられて、かつ接道義務も果たしているこの形に落ち着くのです。
旗竿地のメリットとデメリット
メリット
価格が安い
旗竿地の最大のメリットで整形地より優位な点と言えばはやはり、その価格の安さにあります。
特に都内や都市部で家探しをされている方で、
土地価格の高さに頭を悩まされている方も多いのではないでしょうか。
そういった場合は価格の安い旗竿地を検討されることをおすすめします
土地の値段を抑えることが出来ると、その分建物にコストを掛けられるのが嬉しいですよね。
静かな環境
家の前に道路が無いので、通行人や車が家の近くを通ることがありません。
そのため、通行人の視線や車の音を気にしなくて良いというのも旗竿地のメリットです
通行人の歩きタバコの煙が家の中に入ってくる…というようなこともありません。
駐車スペースを確保しやすい
車を所有している方であれば、路地部分をカースペースとして活用出来ます。
車をお持ちでない方でも、家庭菜園や花壇を設けてガーデニングを楽しむことも出来ます。
デメリット
日当りが悪い
旗竿地は奥まった土地のため、1階部分の日当りが悪くなりがちです。
特にリビングは家族団らんの場所ですし、明るい方が良いと考える方が多いでしょう。
暗くなりがちな旗竿地ですが、リビングを2階に設け、
吹き抜けや天窓を設けることで日当りの悪さをカバーすることが出来ます。
建築コストが高くなることがある
土地の開口部や路地が狭い場合、大きい工事車両が奥まで入れずに作業量が増え、
建築コストが高くなることがあります。
また、電気、ガス、水道を新たに引き込む場合、
引き込み距離が長いと工事費がかさんだり工期が長くなったりしてしまいます。
間口や路地の幅に注意
建築基準法だと、建物を建築するための土地は2m以上道路に接していなければならないと定められています。
旗竿地の場合、路地全体の幅も2m以上ないといけません。
土地と道路が接している間口が2m以上あっても、
路地の一部でも2mより狭い部分があると、建築基準法に違反してしまいます。
建築基準法に違反していると、その土地は「再建築不可」となってしまいます。
そうすると新しく建物を建てることが出来ず、
今ある建物をリフォームするほかなくなってしまいます。
また、住宅ローンも組むことが出来ません。
こういった土地はかなりの低価格で売りに出されていることが多いので、
相場よりも格安の土地を見つけたらよく確認したほうが良いでしょう。