カースペースの奥にある玄関からお邪魔すると、
今回の展示の主催である村野さんとそのお父様があたたかく迎え入れてくれました。
スリッパに履き替え、リビングダイニングっぽいお部屋へ。
なんとこちらの部屋にはワンちゃんが居ます。
シーズーの「しるこ」ちゃんと
パグの「ガブリエル」ちゃん通称「ガビ」ちゃんです。
2匹とも人懐っこく、すぐに私に駆け寄ってきてくれました。
しるこちゃんは村野さんがお宅で飼っている子。
ガビちゃんは前居住者の飼い犬で、
その方の海外旅行期間中に村野さんが預かっているそうです。
ゆったり座れるソファーとテーブルがあり、
こちらではお茶を頂きながらゆっくりと談笑が出来ます。
部屋にある家具はレンタル家具で、
壁の絵を見やすいように低いものを採用しています。
どんな家具が良いのか、実際に美術館に赴いて研究もされたとのこと。
作詞をされている村野さんですが、村野さんの「毛繕い」という詩に
現オーナーである藤原氏の息子さんが曲をつけたのをきっかけに交流が始まりました。
ピアノのある防音室を個人的によく使っていたそうですが、
村野さんが藤原邸の全貌を知ったのは売却が決まってからのこと。
売却が完了する前に、お蔵入りになっていた「毛繕い」の楽曲や映像を
藤原邸で披露したい!という話をすると…
現オーナーより
「親父(藤原和氏)の絵を飾ってくれるなら好きにしていいよ」
との返事が。
そういう流れで、空き家となり朽ち果てていた藤原邸に本格的に足を踏み入れたそうです。
机の上にあるアルバムには、藤原邸が完成するまでの記録写真が。
更地だった頃や建築途中の写真はもちろん、建築会社の担当者、
職人さん、掃除の方の写真まで(笑)
そして一番びっくりしたのが、サッシやコンクリート工場の見学写真まであったこと!
建築中に現場を見に行く方は多いと思いますが、
素材の工場まで見に行く方はそう多くはないと思います。
自宅へのこだわりと情熱が感じられますね。
藤原邸の周辺は今となっては家が立ち並ぶ住宅街ですが、
写真を見ると当時はそこまで家も多くなく、
練馬の歴史も感じることが出来ました。
藤原氏の妻・愛子さんは眼科医をやっており、
もともとは自宅にも診察室や薬局を作る予定だったそうですが
色々とあり、病院は桜台に別で作ったそうです。
眼科医と美術家の異色の夫婦ですが、西洋美術の教授をやっていた
和さんの教え子だったのが愛子さんだったとのこと!
教師と教え子の恋愛、なんだかロマンチックですね。
▲アルバムを見ていると、ガビちゃんが膝に乗ってきました